グローバル治験がどんなものか知っていますか?


こんにちは、もにたーです。

ドラッグラグの解消や開発コストを抑えるため、年々国際共同治験(グローバル治験)が増えています。

私は現在、グローバル治験を担当しています。前も国際案件でしたので、年数で言うと4年程経験があります。

海外の製薬会社が依頼者だと、日本の製薬会社とは違った問題点や課題に直面します。そして正直、しんどいなと思うことがよくあります。

国内治験からグローバル治験担当になり、違いに困惑する人、業務量やストレスの多さに耐えられず辞めていく人もいます。

この記事では、CRAとしてグローバル治験を経験して感じた闇(問題点や課題点)についてお伝えします。

国民性の問題:考え方の違いに振り回される



日本人は慎重なので、こんな時はどうすればいいか?など、様々な状況を想定して物事に備えようとします。

しかし、海外は問題が起こった時に考えるというスタンスのようなので、考え方にズレが生じます。

国民性なので致し方ないところもあると理解はしているのですが、宙ぶらりんの状態にもやもやします。

また、日本人は間違ったことをすると、自分に責任がなくても謝罪しますが、海外依頼者は自分に非があると認めない限りは謝罪がないことが多いです。

そんな依頼者の態度にイライラする施設担当者。

その両者の板挟みになるモニター。

依頼者側のミスなのになぜ自分が・・・と思いつつも、依頼者を悪くは言えませんので、精神的なストレスは相当なものです。

グローバル治験なので、異文化を受け入れつつ行うべきだと思いますが、まだまだ日本で浸透するには時間が必要だなと思う今日この頃です。

時差の問題:問い合わせはメール、返信は夜中



日本の依頼者であれば、急ぎの問い合わせやメールで意図が伝わりにくい問い合わせは電話ですることが可能です。

しかし、海外の依頼者相手に電話で問い合わせ、というのは日本人には厳しいですよね。

自分は英語ペラペラです、なんてモニターはそんなにいませんし。

そのため、問い合わせは基本的にメールで行います。もちろん英語で

けれども相手は海外在住。

場所にもよりますが、欧米であることがほとんどですので、返信は夜中にきます。

聞きたいことがあれば、返信は翌日以降になることを想定してメールを作成しなければなりません

ですが、所詮はメール。意思疎通が難しいので、一回のやりとりで終わらないこともあります

私が担当している治験はリーダー経由でしか問い合わせが認められていませんが、急ぎだったので、リーダーに許可を得て、夜中に自分で対応する、ということがありました。

いつ返信が得られるか分からなかったため、ほぼ徹夜でした。あれは辛かったです・・・

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医療制度の違い:費用の交渉が大変

海外には日本のような国民皆保険制度がなく、保険外併用療養費制度もありません。

また、海外はマイルストーン契約が通常ですが、日本ではまだ根付いていません

そのため、治験費用の交渉には骨を折ります

施設要望を聞きつつも依頼者の要望を伝えて説得し、逆に依頼者要望を施設に伝えて受け入れてもらう。

なぜ費用交渉までCRAがしているのだろうか・・・依頼者が直接すればいいのにと思いつつ業務を行う日々。

お金にシビアになるのは分かりますが、振り回されている感が否めないところは改善したいですね。

言語の問題:重要な書類は全て英語、翻訳による時間のロス



グローバル治験では言わずもがな全ての書類が英語で記載されています。

すなわち、プロトコールも治験薬概要書も同意説明文書(依頼者案)etc.もすべて英語です。

日本の施設で英語の書類だけでのIRBや治験の実施を受け入れてくれればよいのですが、日本人で英語が堪能な医療従事者はそんなに多くありません。

従って、治験を適切に実施するためにはやはり日本語への翻訳が必要です。

しかし、施設のために英語から日本語への翻訳があるように、依頼者のために日本語から英語への翻訳も必要とされます。

翻訳が必要な書類の範囲は治験によりますが、翻訳手続きもCRAの業務なので、業務量が多くなる原因になっています。

その翻訳手続きも、翻訳会社に依頼するだけでは不十分なのです。

治験のような特殊な業界の英語は、翻訳者といえども単語のチョイスを間違えてしまう可能性があるため、あらかじめ使用する英単語を指示したり、納品物の英語を確認したりする作業が必要になってくるからです。

考えてみると結構な負担だと思いませんか?

施設立ち上げの時期は、ただでさえ多忙にもかかわらず、翻訳というひと手間が加わるため、余計にスケジュールが圧迫されてしまうのですね。

まとめ

グローバル治験では、文化の違いならではの問題が浮上します。

国内治験では起こり得ない様々な困難に直面します。

CRAとしてのレベルは上がりますが、ストレスも相当にあります。

依頼者にもよるのかもしれませんが、業務量の多さとストレスで耐えられなくなり、辞めていく人も少なからずいます。

真面目な人程、潰れやすい。そんな印象です。

私は細かいことは気にしないタフな人がグローバル治験に向いていると思います。

もしあなたがグローバル治験の担当になったら、難しいかもしれませんが、決して無理はしないように。

体が資本ですから、健康に害を及ぼしてしまっては意味がありません。

ヘルプは早めに求めてくださいね。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

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