その医療機関、治験の「同意」対応は適切ですか?


こんにちは、もにたーです。

患者さんに治験の説明をし、参加に対する同意を得ることから治験は始まります

治験において最も重要視される部分です。基本中の基本とも言えます。

それにも関わらず、同意の取得に関する不適切な事例が毎年のように起こっているのを知っていますか?

今回は治験に参加する側が注意すべきポイントを同意の観点から解説します。

インフォームド・コンセントの重要性

ナチスによって人権を無視した人体実験が行われていたのを知っている方も多いですよね。

世の中に医薬品を出すためには、どうしてもヒトでの試験が必要です。

しかし試験であるからこそ、人権を尊重して-強制的な参加ではなく、自由意志で参加する-治験を行わなければなりません。

そしてそのためには、治験の説明を十分にした上で治験参加に対する同意を得て、その証である記録を残すことが重要なのです。

同意の重要性は省令で規定されている


治験の実施に当たっては、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」、通称GCP省令、に従わなければなりません。

これは薬機法に基づき、厚生労働大臣により定められたものです。

この第四節「被験者の同意」に同意に関する規定が記載されています。
(省令の詳細に興味のある方は覗いてみてください。)

それでは、同意に関して医療機関側が実施しなければならない対応について、順番に見ていきましょう。

治験参加の同意



治験では、医師は患者さんを治験参加させる前に必ず、治験参加に対する同意を文書で得なければなりません。これはGCP省令第五十条で規定されています。

具体的には、治験の詳細が書かれている説明文書と治験参加の同意文書が一体になっている冊子(同意説明文書)を用いて治験の内容を説明し、治験参加について同意が得られた場合は、その証として同意文書に署名します。

実際は、医師が治験の概要(主に医学的な部分)を説明し、手順などの詳細は治験コーディネーターがするパターンが多いです。

そのため、同意書には、説明を行った医師、補助説明を行った治験コーディネーター、患者、の3名が署名することが多いです。

未成年のような理解能力や同意能力が不足している方は代諾者(親など)、同意能力はあるが視覚障害・聴覚障害のある方は立会人(第三者)が説明に同席し、署名をすることもあります。

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治験継続の同意



治験に参加している間、治験を継続するかどうかの意思に影響を与えるような情報が得られた場合は、同意説明文書を改訂しなければなりません。これはGCP省令第五十四条で規定されています。

同意説明文書の改訂が行われた場合は、治験審査委員会という第三者機関で同意説明文書を確認し、変更された内容で引き続き治験を継続してよいかどうかの審査が行われます。

審査で承認されるまでは、改訂された同意説明文書を使うことができません。

しかし、新たな情報は速やかに伝えなければなりません。

そのため、取り急ぎ変更点を説明し、治験を継続するか否かの意思確認を口頭で行い、確認結果をカルテなどに記録する必要があります。

新しい情報を知った結果、継続せずやめるという場合は同意撤回となります。

このまま継続するという場合は、治験審査委員会で承認された後、改めて文書で再度同意を取得します。

報告された不適切事例



同意は基本の対応であるにもかかわらず、毎年のように不適切事例が起こっています

その中には、そんなこと有り得ないでしょ!といった信じがたい事例もあります。

しかし、治験に参加する側がそのような問題事例を知る機会はなかなかないと思います。

自分が当事者であっても、そもそも不適切かどうか分からないですよね。

そこで、実際にあった問題事例をいくつかご紹介しますので、医療機関を見極める時の参考にしてください。

<実際にあった同意に関する問題事例>
・同意文書の医師署名欄に治験コーディネーターが代理署名した
・治験コーディネーターが補助説明をしたにもかかわらず同意文書に署名していなかった
・説明文書を改訂したが、文書による再同意を得ていなかった
・同意する前に治験行為(治験のための検査など)が行われた
・治験審査委員会の承認前の同意説明文書を用いて文書同意を行った

まとめ

同意取得は人権尊重のために必要不可欠な対応です。

治験を実施する側が最も注意すべきところです。

同意について適切な対応ができていない医師や治験コーディネーターは、治験の本質を正しく理解していないということです。

基本ができていないということは、他の対応もイマイチである恐れもあります。

その医療機関で治験に参加して大丈夫ですか?

治験参加中の方、または、今から参加するという方。

もしこの記事でお伝えしたような事態に遭遇したら、治験参加を考え直した方がよいかもしれません。

安心できる医療機関で治験に参加しましょう。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

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