初診や数回の来院で治験を紹介されたことはありませんか?
治験について知っている人であればまだしも、治験について何も知らない状態で、初診時にいきなり、
「今ちょうど治験をしていて、その治験の条件に合っているんだけど、どうですか?」
なんて言われたら、「えっ!」ってなりますよね。
初診で治験の話をされることは一般的なのか?
紹介されたからには、治験に入った方がいいのか、やめておくべきか。
今回は初診で治験の話をされる理由とその時にどうすべきかについて、治験の裏側を暴露しつつ解説します。
未治療患者対象の治験を実施している
実は、治験の中には、未治療の人を対象としたものがあります。
恐らく第一選択薬になることを目指した被験薬でしょうね。
そのような治験では、参加条件が初診の人や数回しか来院していない人でなければ条件に合わないようにできていることが多いです。
(例えば、●●疾患の治療歴が全くないか、または薬物による治療期間が●ヶ月未満の人、など)
そのため、医師は初診時に条件に合いそうな人がいれば、声をかけているのです。
勘違いしないでいただきたいのですが、医師はあくまでも治療の選択肢の一つとして治験の紹介をしているだけですので、治験に入るよう勧められた、というわけではありません。
もし有効な治療薬のない疾患であれば、治験に入った方がいいと勧められるかもしれませんが…。
診療の一環として全ての患者に治験の話をする医師もいる
治験をたくさん実施している医師のところには、今後も治験の話が来る可能性が高いです。
そのため、初診時に、全ての患者さんに治療の選択肢として治験があるということを話す、という医師も中にはいます。
最初に興味があるか聞いておけば、案件があった時に話をしやすいですからね。
医師も初診の人には声をかけづらいと思っている
医師の多くは、患者さんのキャラクターを考慮して治験を紹介するかどうか決めています。
ただ、初診やたかだか数回の来院ではその人のキャラクターが分かりません。
治験の話をして大丈夫なキャラクターかどうかを把握できていませんので、下手に紹介してしまうと、人によっては不信感を抱かれる恐れがあります。
紹介する医師の方もドキドキなわけです。
そのため、紹介後も関係が続いていくことを考慮し、良好な関係を保つために初診の人に声をかけるのはちょっとな・・・という医師もいます。
ただ、中には良かれと思って初診でもがんがん声をかける医師もいます。
性格や考え方の違いといったところでしょうか。
初診で治験を紹介されたら
「嫌なら嫌」、でいいんです。
治験に興味のない場合や承認されている薬で治療したい、ということであれば断ってください。断っても通常治療をされるだけで不利益はありません。
私が担当している治験でも、初診の人に声かけをした結果、「通常治療でいいです」、とお断りされた事例もあります。
治療選択肢の中からどれを選ぶかは個人の自由です。
そこに強制力はありません。
ただ、条件に合う治験がそう多くはないのも事実です。
患者さんのエントリー期間も決まっていますしね。
治験が絶対に嫌、というのではなければ、せっかく医師も紹介してくれていますので、一度検討してみてはいかがでしょうか?
それでは、次の記事でお会いしましょう。