治験における避妊の規定、ご存知ですか?
こんにちは、もにたーです。
治験では妊娠できないことは知っている方も多いでしょうが、避妊の規定があることも知っていますか?
普通は知らないですよね。
では、一般的に避妊の手段といえば、何が思いつきますか?
恐らく、大多数の人が、男性用の避妊具や女性用の避妊具、または経口避妊薬を思い浮かべるでしょう。
では、治験で求められる避妊方法は何だと思いますか?
避妊具を使っておけばいい?
それとも経口避妊薬を飲めばいい?
いえいえ、それだけではダメです。
治験ですから、普通に考えるよりも厳しい基準が設けられています。
そして避妊方法に合意できない場合は治験に参加できません。
では早速、避妊の規定についてお伝えしていきます。
治験中は妊娠できない
治験に参加したことがある方は知っていると思いますが、治験中は妊娠できません。
医薬品の多くは、妊娠初期への影響が確認されていないからです。
実際、治験中に妊娠し、自然流産や奇形発現など、赤ちゃんへの影響が否定できない事例も報告されています。
妊娠や避妊に関する記事はこちらにもあります。
決められた避妊方法
妊娠した場合の悪影響を避けるため、治験では、決められた避妊方法を守ることに合意し、守ってもらう必要があります。
リード文にも書きましたが、避妊具を使用すればいいんでしょ?と思っている方が多いと多います。
しかし残念ながら、妊娠は避妊具では防ぎきれないこともあるのが現状なので、より確実に避妊するために、厳しい方法が求められるのです。
治験で一般的に避妊法として認められるのは、以下の通りです。
※治験により少し異なる可能性はあります。
<女性>
・子宮内避妊具、卵管不妊手術、相手男性の精管切除のいずれか
・自分が経口避妊薬を飲み、さらに自分か相手男性がコンドームを使用する
・禁欲(性行為をしない)
<男性>
・自分はコンドームを使用し、さらに相手女性が経口避妊薬を飲む
えっ?と思いませんでした?
そう!経口避妊薬とコンドームは併用必須なんです!
特に男性ですが、相手の女性にも協力してもらわないといけないんです。
さらに、経口避妊薬は、治験開始前から継続して飲んでいる必要がありますので、治験に参加することが決まってからでは条件を満たしません。
日本では経口避妊薬を飲む女性はそんなに多くないでしょうから、結婚されている方や彼氏がいる方は、治験を見据えて準備しないと間に合わないです。
厳しいですよね。
日本でも治験中の妊娠事例はある
海外の方が妊娠の報告事例は多いですが、真面目な国民性の日本でも報告はあります。
実際、私の担当治験でも妊娠の報告がありました。
患者さんは避妊していたつもりのようですが、話を聞くと、治験で求められている避妊規定を守っていないことが発覚。
赤ちゃんに影響がないことを祈りますが、もし影響があったとして、どこまで補償してもらえるかは分かりません。
治験薬との関連性があるとはいえ、元は患者さんの過失が原因なわけですから。
母体への影響も心配ですが、親の不注意で赤ちゃんに影響があれば、赤ちゃんが可哀想ですよね。
まとめ
治験で求められる避妊方法は厳しいです。
経口避妊薬の単一使用、コンドームの単一使用、周期的な禁欲、は認められません。
確かにどの避妊方法を選んだかなんて、誰も見てないので、守らなくても分かりません。
だからといって守らなくていいわけではありません。
治験参加の同意書にサインした時点で、避妊方法を守ることにも合意したことになるからです。
合意したからには守っていただき、守れないのであれば参加しないことをお勧めします。
もし治験途中で妊娠を望む場合、早めに主治医に相談し、治験をやめるようにしてください。
余計なリスクは負わない。それが母体と産まれてくる赤ちゃんのためだと思いますよ。
それでは、次の記事でお会いしましょう。