なんで治験の情報はあまり公開されてないの?

こんにちは。もにたーです。

ネットから治験を受けようとした時、または病院で治験参加者を募集するポスターを見つけた時、募集要項を見てこう思ったことはありませんか?

あれ?「●●の治療薬」とは書いてあるけど、製薬会社名や薬剤名が載ってない。
なんか情報がぼんやりしていて少ない…これって受けて大丈夫なの?

私のような業界人からするとそれは当たり前ともいうべきことなのですが、何も知らない側からすると、ただただ不安ですよね。

ちなみに、いくつかの治験情報サイトで募集要項を見てみましたが、やはりというべきか、どこの製薬会社で開発されている何という薬、という情報は記載されていませんでした。

製薬会社名や薬剤名が載ってないと、ただでさえ怪しいイメージのある治験がより怪しく見えちゃいますよね。

実は、これにはちゃんとした理由があるんです。

今回はその理由について解説します。

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治験は多くの機密情報を含んでいる



医薬品開発は競争です。

同じXという物質で、多少の差はあれど、同じ効果が得られる薬を開発している2つの製薬会社AとBがあるとします。

A社が先に承認を得た時、後から出てきてA社とほとんど同じ効果を持つB社の薬は売れると思いますか?あなたが医者なら使いますか?

医者からすると、先に承認を得たA社の薬の方がインパクトは断然強いですよね。

それを踏まえて考えてみてください。

もし、●●製薬で▲▲という薬が開発されていて、その治験が今参加者を募集しているとなると、例えば、競合他社はこう思いますよね。

今の開発スケジュールじゃ●●製薬に先を越されちゃうから、もっと早めよう!と。

そうすると、最初は●●製薬が有利だったのに、情報を公開したがために形勢逆転になってしまい、今までの努力が水の泡と化す可能性もあります。

多額の開発費がパーです。億単位ですから、相当なダメージですよ。

ですので、どこの製薬会社でどんな薬を開発している、どんな内容で治験をしている、という企業秘密は容易に公開できないんです。

そして、第三者への情報漏えいを防止するため、医療機関や製薬会社の代わりに治験を請け負う会社は、治験をするにあたって、開発元の製薬会社と秘密保持契約を結ぶのです。

これが治験で一般向けに公開されている情報が少ない理由です。

どこの製薬会社とも分からない会社の開発薬を服用するのか?

製薬会社は多額のお金を費やして薬の開発を行っているので、情報漏洩は製薬会社に大ダメージを与えかねません。

ですので、先ほども言いましたように、治験参加者を募集する際にも機密情報にあたる情報は公開できないのです。

サイトに掲載すると多くの人の目に触れますからね。

えー!じゃあどこの何という薬とも知れないものを服用するの?

と思うかもしれませんが、そこは安心してください。

治験サイトで参加申し込みをした後、具体的な話を聞くために、医療機関もしくはその他の治験をする会場に訪問することになります。

そこでもらう、同意説明文書(*)にはちゃんと製薬会社名と薬剤名を含む治験の情報が載っています

(*)同意説明文書とは、治験の内容が書かれた説明書部分と、治験参加の同意書が一体になった冊子のこと。


最近は国際共同治験の発展に伴い、海外の製薬会社の開発薬の治験も日本で行われるようになりましたので、聞いたことない会社名なんだけど・・・となることもあるとは思いますが。

最後に

治験は機密情報が多いだけに、製薬会社は最低限の情報だけしか出せないということを知っておいてください。

情報を出せるのであればとっくに出していると思いますよ。そちらの方が参加者募集には効率がいいですからね。

応募の段階では不明な情報も、説明を受ければ必ず分かります

製薬会社と開発薬について何も知らないまま治験に参加、ということはまずありませんのでご安心ください。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

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