こんにちは。もにたーです。

「この治験では、●%の確率でプラセボにあたる可能性があります」

担当医や治験コーディネーターからプラセボがある治験の説明を受けた時、多くの人がこう思うのではないでしょうか?

「それって効かない可能性があるってことだよね?効かなかったら補償は受けれるのかな?」

そんな疑問にお答えすべく、今回はプラセボと補償について解説します。

プラセボについてのおさらい



知らない方も読まれているかもしれませんので、まずはプラセボについておさらいをしましょう。

薬には病気に対して効果を示す物質である有効成分が含まれています。

例えば、有名な鎮痛剤であるロキソニンは、ロキソプロフェンナトリウム水和物という有効成分を含んでおり、この物質が鎮痛作用を示します。

対して、プラセボとは「有効成分を含まない偽薬」のことです。

つまり、プラセボを服用しても、理論的には効果が得られない、ということになります。

ただし、病は気からと言うように、人によっては効果が得られる場合もあります。

例えば、関節リウマチでは、プラセボ効果があると言われており、実際に臨床データも得られています。

スポンサーリンク

補償についての基本的な考え方

補償というのは、言葉通り、損失を損害を補い償うという意味です。

治験においては、治験に参加したことで被った損失や損害をお金で補い償うための制度です。

従って、補償は治験薬または治験手順と関連した健康被害が起きた場合に適応されます。

治験中に起きた健康被害すべてに適応されるわけではありませんので注意してください。

また、関連性の有無(因果関係)の判定は開発側がしますので、担当医が因果関係ありと判断しても、補償が受けれるわけではない、ということも覚えておいてください。

プラセボ効果が得られなかったら?



治験依頼者である製薬会社の多くは、医薬品企業法務研究会(医法研)が公表している「被験者の健康被害補償に関するガイドライン」を参考に補償制度を定めています。

その医法研ガイドラインに、以下の文言があります。

4-4 プラセボを投与した被験者に治療上の利益を提供できなかった場合は、補償の対象外である。

そのため、プラセボが効かなかったというだけでは補償の対象とはなりません

ただし、例外もあります。

プラセボを服用したことで治療効果が得られず、対象疾患が自然経過よりも急激に悪化した場合などです。

例えば、治験参加後、徐々に進行していくような疾患が急激に進行し、かつそれが治験に参加しなければ起こらなかったことが否定できない場合は、補償が適応されることがある、ということです。

このようなケースは稀だと思いますので、補償されないという認識でいた方がよいでしょう。

プラセボありの治験に参加する前に

プラセボありの治験を実施する場合、医師もプラセボ効果が得られないことによる疾患悪化のリスクついてはかなり気にしています。

プラセボがあるならその治験は実施しないという医師もいるくらいです。

そのため、プラセボありの治験に参加すること自体が危険と判断された場合は、参加を申し出ても断られる可能性があります。

私が担当していた医療機関では、他の治験では多くの参加者が集まるようなところにも関わらず、プラセボありの治験では、医師がプラセボを気にしており、なかなか参加者が集まらなかったということがありました。

つまり、それくらい慎重に候補者を選んでいた、ということです。

医師自身も担当患者の疾患の悪化を恐れていることがよく分かりますよね。

また、参加後にこれ以上の継続は危険と判断した場合には、治験をやめるよう指示されますが、やめる前に運悪く悪化してしまう可能性は否めません。

ですので、プラセボが効かず悪化してしまった場合、治験との関連性が認められない限りは補償は適応されない

それを知った上で治験に参加してもらえればと思います。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

スポンサーリンク