こんにちは。もにたーです。

健康な女性で治験に参加したいという方、もちろん中にはいますよね。

でも、いざ探してみると案件の少なさにがっかりしたり、そもそもなんで健康な女性対象の治験が少ないのか疑問に思ったことはないでしょうか?

今回は健康な女性が治験対象から除外される理由と参加可能な治験について解説します。

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健康な女性対象の治験数は男性に比べると圧倒的に少ない




女性向けの治験は少ないといっても、一体どのくらい少ないのでしょうか?

「インクロム、医学ボランティア会」
比較的検索しやすいこれらの治験情報サイトで、実際に健康な男女を対象とした治験がどのくらいあるか検索してみました。

まず、「健康な男性」向けの治験はどうでしょうか?

検索結果は以下の通りでした。
2018/4/28時点
・インクロムさん:8件
・医学ボランティア会さん:14件

では、「健康な女性」向けのものはどうでしょうか?

検索結果は以下の通りでした。
2018/4/28時点
・インクロムさん:0件
・医学ボランティア会さん:1件

やはり少ないですね・・・

合計で男性向けの治験が22件であるのに対して、女性向けの治験が1件と、女性向けの治験の方が圧倒的に少ないです。


では、なぜ女性向けの治験は少ないのでしょうか?
次はその理由について見ていきましょう。

女性向けの治験が少ない理由は妊娠が関係している

健康な人を対象とした治験は、人に初めて薬を投与する段階です。

動物試験で得られたデータを基に安全と考えられる用量から投与していくとはいえ、そのヒトでの安全性は未知数です。

加えて、この段階では、被験薬(薬候補の物質)が体に吸収され、分布され、代謝され、排泄されるといった薬物動態が明らかになっていません

健康人対象の治験はそれらを明らかにしていくための試験ですので、当然ですね。

つまり、たとえ治験が終了してもう被験薬を服用していないといっても、体内から被験薬の影響が完全になくなるまでの期間が分かっていない状態です。

ですので、妊娠への悪影響を懸念し、女性は対象外とされます

男性も妊娠への影響が全くないわけではないのですが、女性の方はダイレクトに影響するのでその違いでしょうね。

ただし、先程調べた通り、健康な女性を対象とした治験は少ないながらもあります。

既に薬物動態が判明している場合は女性も対象となる

先ほど述べましたが、薬物動態が分かっていない状態で妊娠可能な女性が治験に参加することにはリスクがあります。

これは裏を返せば、薬物動態が判明している場合、一定の期間妊娠しないようにすれば問題ないということです。

健康成人を対象とした治験(第Ⅰ相)は、治験の段階の初めに行われるのが通常ですが、患者さん対象の治験の段階(第Ⅱ相・第Ⅲ相)に移行した後にも、必要に応じて追加で行われる場合があります。

そのような追加試験の場合には、治験参加時に妊娠していないこと、一定期間は避妊することを条件として、女性の参加も募集しています。

臨床試験情報データベースによい例がありましたので、紹介します。

イーライリリー社のバリシチニブ(関節リウマチ治療薬)の治験です。

この治験は、市販予定の錠剤と、少数患者さん対象の第Ⅱ相試験で使用した錠剤とのバイオアベイラビリティの相対性、及び食事の影響を調べるための追加試験です。

※バイオアベイラビリティとは
服薬した薬のうち、どれだけの量が全身の血流にのって利用されるか

つまり、市販予定の錠剤は治験で用いた錠剤とは製造方法が異なるなどして完成物が異なるため、治験で用いたものと体での利用率がどのくらい違うのかを調べるということです。

製剤が異なるので、多少の違いはあるかもしれませんが、薬物動態がほぼ判明している状態といってよいでしょう。

ですので、この治験では対象として女性も含まれています。


もちろん治験によって参加基準は異なるため、薬物動態が判明していれば必ず参加できるというわけではないことに注意してください。

女性向けの治験が少ない理由、分かっていただけましたか?

臨床開発担当者として、妊娠予定がある方の治験参加はあまりお勧めしませんが、
どうしても参加したい、とのことでしたら、あらゆる治験参加者募集サイトに登録し、こまめにチェックすることをお勧めします。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

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