こんにちは。もにたーです。
治験に参加したいけど、個人情報ってどのように扱われるの?ちゃんと守られるの?
何かしらのサイトに登録する時、氏名や住所、電話番号を入力するのに抵抗がある人は結構いるんじゃないでしょうか?
普通の人からすると治験は得体の知れないものなので、自分の情報がどのように扱われるか気になる人もいると思います。
そこで、今回は実際に治験でどのように個人情報が取り扱われているのかについて解説します。
目次
カルテなど診療記録の閲覧をするのは医療機関の人だけではない
治験に参加すると、その医療機関の人はもちろん、以下の人がカルテや診療記録の閲覧をします。
・外部から派遣されている治験コーディネーター
・製薬会社または製薬会社が臨床開発をアウトソーシングしている会社の臨床開発担当者
・規制当局(医薬品医療機器総合機構・厚生労働省)の調査員 ※その医療機関が調査の対象になった場合のみ
治験コーディネーターはともかく、製薬会社側の人や規制当局の調査員まで閲覧するの?
と、思うかもしれませんが、これにはちゃんとした理由があります。
臨床開発担当者や規制当局の調査員は、医療機関で治験が適切に行われているか確認する
簡単に説明すると、参加者の人権を軽視していないか?安全性は確保されているか?治験データは適切に記録されているか?
ということを調べるために閲覧します。
要は、関連法規を守って正しく治験が行われているか確認する、ということです。
つまり、診療記録の閲覧は避けられないので、医療機関の人以外の人間に個人情報を見られたくないのであれば、治験には参加しない方がいいです。
では、実際に個人情報はどのように取り扱われるのでしょうか?
治験ではどのようなデータが収集され、解析に用いられるのか、ということから見ていきましょう。
治験で収集する参加者のデータ
治験では、解析のために参加者から以下のデータを治験データとして収集します。
氏名や住所などの情報は収集しません。
・生年月日
・年齢
・性別
・国籍
・病歴
・服薬歴
・各検査データ
参加者はコード化される
治験で上記のデータを収集する時、参加者を特定できるようにしなければなりません。
しかし、個人情報は守らねばなりませんので、参加者をコード化します。
では、どのようにコード化されているか?
複数の医療機関で治験を実施する場合、医療機関には番号、例えば、12345が付けられます。
そして、医療機関での参加者に通し番号を付ける場合、最初に登録された参加者から順に、001番、002番、…と付けていきます。
したがって、1人目の参加者に12345-001、2人目に12345-102という番号が付けられ、これで参加者を特定します。
実際に私達が参加者の話をする時は、実名ではなく参加者番号で、●番さんが…といったように話します。
また、イニシャルも必要となります。本当のイニシャルでも、ダイレクトに個人を特定できるものではありませんが、ダミーの方が望ましいとされます。
私の担当している治験ではダミーイニシャルを用いています。
当然のことながら、医療機関からの個人情報は持ち出し厳禁
私のような臨床開発担当者は、医療機関で診療記録を閲覧し、カルテの記載について、必要な内容をメモします。
ただし、当然のことながら氏名や住所などの個人情報はメモしません。
個人情報を持ち出そうものなら、大問題になりますので、私は医療機関を出る前にいつも個人情報の持ち出しがないか確認しています。
診療費用請求のためのレセプトはマスキングされる
治験では、検査費用や薬剤費用が一部、製薬会社の負担になります。
その請求のため、製薬会社もしくは製薬会社が臨床開発をアウトソーシングしている会社に、請求書と一緒に参加者のレセプト(診療明細)が送られてきます。
レセプトは通常、個人情報が満載ですが、請求時には、氏名・住所・保険証番号など、個人情報に当たるものは全てマスキングされています。
治験は個人情報保護法に準拠しています
日本での個人情報の取り扱いに関する規制はどんどん厳しくなっています。
治験でも例外なく個人情報保護法に準拠した対応が取られていますので、安心してください。
それでは、次の記事でお会いしましょう。