こんにちは。もにたーです。

治験で健康被害があった場合に補償が適応されることは知っているかもしれませんが、その補償の詳細については知っていますか?

どんな場合に補償が適応されるのか?どんな費用が補償されるのか?手続きは何をすればいいか?どのくらいでお金が振り込まれるか?

補償について知っているのと知らないのとでは、大きな差があります。

今回は補償について、実例を交えて解説します。

補償制度とは?

補償という言葉には、損失や損害を補い償うという意味があります。

その意味の通り、治験参加により健康被害という損害があった場合に、治験依頼者である製薬会社から、治療に要した医療費や医療手当、補償金が支払われることを補償といいます。


似たような制度として、既に販売されている薬については、医薬品副作用被害救済制度があります。

どんな場合に受けれる?

治験薬または治験手順と関連があると判断された場合に補償の対象となります。

例えば、私の担当している治験でこんな事例がありました。

治験薬を服薬し始めた頃から、とある検査値が少しずつ低下し始めた。
大きな減少ではなかったので、服薬継続していたが、数日後に急激に減少し、体調不良により入院。

この事象について、担当医も製薬会社も治験薬と因果関係ありと判断し、補償が適応された。

ここで注意が必要なのは、因果関係の最終判断は製薬会社側がする、ということです。

ただし、製薬会社側も根拠もなく関連性を否定するわけではありません。
医学的に考えて妥当であれば、ちゃんと関連ありと判断されます。

私が担当した事例で、因果関係の判定が覆った事例がありますので紹介しますね。

とある注射剤の治験です。

患者さんが治験に参加して数ヶ月後、治験で行う定期検査で新たな所見が見つかったため、精査したら甲状腺がんでした。

当初、担当医は治験薬との関連性は否定できないと判断していましたが、製薬会社側は否定しました。

この患者さんは諸事情で治験薬を服薬していなかった時期があり、実施に服薬したのは10回程度。

進行が遅いという甲状腺がんの性質と服薬期間を考慮すると、治験薬との関連性があるとは考えにくい、との判断でした。

担当医も甲状腺がんは専門外であったことから、製薬会社が提示した資料と専門医の意見を基に再考した結果、関連性なしという判断になりました。

つまり、最初は補償の対象でしたが、因果関係の判定が覆り、補償の対象外となったということです。

補償の内容は?

多くの治験依頼者(製薬会社)は、医法研ガイドラインを参考に補償制度の内容を決めています。

そのため、ガイドラインに則り、医療費、医療手当、補償金が支払うように定められています。

医療手当や補償金は金額については、製薬会社毎に異なりますが、参考までに私が担当している治験での補償額をご紹介します。

医療費
健康被害の治療に要した診療費と薬剤費です。保険給付額を除く自己負担分が該当します。

医療手当
入院または入院相当の通院が必要な場合に支払われる費用です。
費用については、医薬品副作用被害救済制度を参考に決められますが、どのケースも3万5千円程度です。

補償金
健康被害の結果、死亡したり、後遺症が生じた場合に支払われる費用です。
金額は年齢と障害等級によって異なり、100万円程度~5000万円程度と幅があります。
障害等級は国民年金・厚生年金保険の障害認定基準によって定められます。
死亡の場合は、遺族補償金として2000万円程度が支払われます。

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手続きは何をしたらいいの?

製薬会社毎に指定の用紙があります。それに必要事項(振込先など)を記入し、提出します。

例えば、私が担当している治験では、以下の内容について記載が必要になります。
振込先
医療費(自己負担額)
健康保険からの給付を除く自己負担額を記載します。領収書の原本が必要になります。
高額療養費支給額
自己負担限度額を超えた場合は、高額療養費支給申請をし、支給額を記載します。
医療手当
入院または入院を必要とする程度の通院に該当する場合、その日数に応じた額を記載します。

補償金の支給対象とならない場合、実際に振り込まれる額は、自己負担額(自己負担限度額を超える場合は高額療養費支給額を差し引いた金額)+医療手当(該当する場合)になります。

必要な時間は?



お金が振り込まれるまでに数ヶ月を要することが多いです。

なぜそんなに時間がかかるかと言うと、製薬会社側で行う手続きに時間がかかるからです。

特に国内に拠点を持たないような海外の製薬会社の場合、資料を翻訳しないといけないので、より時間がかかる可能性があります。

早くお金を支払ってほしい場合は、いかに自分の持ち時間を短くするかが重要です。

健康被害があった場合は、補償に必要な書類を早く準備するようにしましょう。

まとめ

補償のポイントは以下の通りです。

・補償は製薬会社により治験薬または治験手順との関連性が認められた場合に適応される
・補償の内容は製薬会社毎に異なるが、一般的には医療費、医療手当、補償金が支払われる
・補償請求にあたり、指定の用紙に必要事項を記入し、医療費領収書とともに提出する
・自己負担限度額を超える場合は、事前に高額療養費支給申請が必要
・お金が振り込まれるまでに数ヶ月を要するので、自分の手続き時間を短くすることが重要

健康被害にあわれないのが一番ではありますが、補償の基本的なところを知っておくと万が一の時にスムーズに準備ができるかと思いますので、ご参考まで。

ちなみに補償に関する手続きについては、治験コーディネーターさんが説明してくれますのでご安心ください。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

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