こんにちは、もにたーです。
治験の参加基準を満たしているかどうか調べるためにした血液検査が失敗したかもしれないから、再検査のためにもう一度来てくださいと言われた。
もう一度行って再検査したはいいが、結局治験に参加できなかった。
遠方から時間をかけて行ったのに…
これはよくあることなのか?
というような質問を見つけました。
「検査が失敗」というのは恐らく検体不備などで検査ができなかったことを意味しているのでしょう。
そのような理由で再検査になるケースは頻繁にというわけではありませんが、時々あります。
しかし、そうなった経緯までちゃんと説明しなければ、参加者は分かりませんよね。
そこで、今回は再検査が必要になるケースについて解説します。
治験の血液検査についての基礎知識
治験では、いくつかの血液検査が行われますが、それらは、医療機関内で実施する場合と外部の検査機関で実施する場合、もしくは両方という場合があります。
院内検査の場合は、検査の種類にもよりますが、当日中に結果が出ることが多く、外部検査の場合は、基本的には数日を要します。
特に、海外製薬会社の治験では、海外の検査機関に検体を送る場合もありますので、結果が分かるまでに1週間程度要することがあります。
検体に不備があると再検査が必要になる
血液検査のために血液検体を採取したものの、検体に不備があると再検査が必要になります。
よくある例としては、以下が挙げられます。
・血小板が凝集してしまって測定できなかった
→血小板が凝集しやすい人でよく起こります。
・血液量が足りなくて測定できなかった
→各検査には必要とされる血液量があるのですが、それに満たない場合は、検査の精度という観点から、検査が出来ないことがあります。
不備はないが再検査という場合もある
治験の参加基準には、選ぶための基準(選択基準)と、除外するための基準(除外基準)があります。
そしてそれらには、検査値の基準も含まれています。
治験によっては、検査値基準に引っかかってしまった場合にも、すぐに不適格として落とされずに、再検査を受けさせてくれる場合があります。
ただし、その場合は事前に依頼者の製薬会社に連絡し、再検査の許可を得なければなりません。
この場合に再検査を受ける人というのは、院内検査値では基準を満たしているのに、治験の検査で基準を満たさなかった人、がほとんどです。
例えば、元々リンパ球の数値が低めな人は、治験の厳しめな検査値基準に引っかかることが多いです。
そのような人が、数値が少し足りなくて参加基準を満たさなかったけど、もう一度試したいとなった場合に再検査となります。
しかし、残念ながら、2回チャレンジしたにも関わらず治験に参加できない、ということもよくあります。
遠方の方であれば、わざわざ検査のためだけに医療機関に行って、結局治験に参加できなかった、となるとやるせないですよね。
ですので、再検査を受けるかどうかはよく考えて決めてくださいね。
再検査の場合はその理由を説明する義務がある
治験の同意説明文書には、予定される採血量が記載されています。
ただし、それはあくまで予定通りに検査が実施された場合です。
そのため、再検査をすることになった場合は、採血量が予定される量より多くなりますので、それらが必要な理由について説明義務が発生します。
もし、再検査が必要になった場合に、ちゃんと説明がされなかったのであれば、それは問題ですので、担当医や治験コーディネーターに説明を求めてください。
まとめ
治験では、検体に不備があったり、参加基準を満たすための再チャレンジとして再検査が行われます。
そして、いずれの場合にも、参加者に対する説明と再検査についての同意が求められます。
なぜ再検査が必要になったのか?
治験で必要だから言われた通りにするのではなく、納得のいく説明を受けてから再検査を受けるようにしましょう。
それでは、次の記事でお会いしましょう。