こんにちは。もにたーです。

治験の募集要項で「休薬期間」という言葉を目にしたり、説明時に聞いたことがある、という人は多いのではないでしょうか。

治験に入るために休薬期間が必要、と言われても、どういうこと?って思いますよね。

今回は、休薬期間について解説します。

休薬期間とは

薬を体から洗い流す(ウォッシュアウトする)ために服薬をしない期間のことです。


参加条件として、休薬期間が設定されている場合、その休薬期間を満了し、ウォッシュアウトが完了していなければ治験には参加できません。

ウォッシュアウトが必要な理由

前の治験から次の治験に続けて参加する場合、安全のため、治験薬(治験で飲む薬)の影響がなくなってから参加する必要があります。

もし、前に服薬していた治験薬の影響がなくなる前に、次の治験薬を服用してしまうと、何らかの相互作用が起こる可能性があります

飲んでいたのがプラセボならまだしも、開発薬と効果や安全性を比べるための既承認薬(対照薬)や、安全性が確立されていない開発薬を服用していた場合はリスキーです。

そのため、参加条件として、ウォッシュアウトのための休薬期間が設定されています。

また、ウォッシュアウトは開発薬の効果や安全性を適切に評価するためでもあります。

例えば、関節リウマチの新薬の治験。

既に抗リウマチ薬はたくさん出ています。

その抗リウマチ薬を複数服薬した状態で、開発薬の効果や安全性の評価が適切にできるでしょうか?


テストで例えてみましょう。
学生であれば、塾に行ったり教材を買って勉強したりしますよね。

その勉強法が1つ、例えば、塾だけであれば、点数が上がった時に塾がどれだけ効果的だったか点数の差で分かります。

しかし、2つ、例えば、塾・通信教材を同時並行で進めていると、どちらがどのくらい効果的だったのか点数の差では分からないですよね。
恐らく相乗効果によるものでしょうし。

それと同じことです。
この開発薬でこれだけの治療効果があった。安全性はこうだった。

それを調べるために、開発薬と同じタイプの薬をウォッシュアウトする必要があります。

※相乗効果を評価する場合もあり、その場合はその既承認薬を治験参加前から一定期間投与した上で、治験中も併用投与することになります。つまり、効果が安定した状態で開発薬を追加するということですね。

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どんな場合に必要?いつから起算すればいい?



治験参加にあたり休薬が必要になるのは、以下の2つの場合に分けられます。
・直近で治験参加歴がある場合
・治験参加前に併用禁止薬を服用している場合

直近で治験参加歴がある場合は、ウォッシュアウトのため、定められた期間の休薬が必要になります。

その期間は開発薬の特性により様々ですが、服用間隔が長いもの程、体内残留時間が長いので、休薬期間も長くなります。

この場合、起点となるのは、実際に治験薬を服薬し始める日がほとんどですが、同意日の時点でウォッシュアウトを完了しておく方が確実です。

また、開発薬の評価を適切に行うため、開発薬が承認取得を予定している効能効果と同じ効能効果を持つ薬の一部は、治験期間中の併用が禁止されます。

その併用禁止薬を服用している場合、ウォッシュアウトのために同意後から一定期間の休薬が必要になります。

この場合は、同意からウォッシュアウトを始めるので、起点となる日は、実際に治験薬を服薬し始める日になります。

つまり、治験薬の服薬開始前日にウォッシュアウトを完了しておく必要があります。

どんなことに注意すればいい?

健康な人の場合はウォッシュアウトによる懸念は特にありません。

安全のため、必要な休薬期間が終わってから、次の治験に参加してください。

患者さんで服薬している薬をウォッシュアウトする必要がある場合、注意すべきはやはり疾患の悪化です。

治験の対象となるのは、治療効果が不十分な方が多いです。

そのような人が、治療薬を減らしたらどうなると思いますか?

休薬期間が始まってから、治験薬を服用し始めるまで、タイムラグがありますので、治療効果が弱くなった状態で一定期間を過ごさなければなりません

そうなると、治験薬の服用を開始する前、または治験薬効果が得られる前に悪化する可能性があります。

場合によっては併用禁止薬を使わざるを得なくなりますので、治験にも参加できなくなります。

ちなみに私が担当している治験でも、ウォッシュアウトにより症状が悪化し、治験薬服薬開始直後に痛みが我慢できなくなって通常治療に戻ったという事例があります。

また、耐えれるレベルではあるけれど、やはり、治験薬服薬開始までに痛みが増したというケースはよく聞きます。

そのくらい、ウォッシュアウトによる悪化はあり得る、ということを知っておいてください。

まとめ

ウォッシュアウトは、被験薬の適切な評価や安全性を確保するために必要ですが、懸念点もあります。

患者さんは、治療薬を減らすことになるので、疾患悪化のリスクについては必ず知っておいてください。

ウォッシュアウトで症状がひどくなってきた場合は、治験参加のために決して無理はしないこと。

健康な人は、安全性上、休薬が必要です。休薬期間が終わっていないにも関わらず、嘘をついて他の治験に参加しないようにしましょう。

嘘が原因で健康被害が出た場合、参加者に落ち度があるため、適切な補償を受けれる保障はありませんよ。

体は大事にしてくださいね。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

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