こんにちは。もにたーです。

治験では血液検査のために採血を行いますが、これは一体誰がするのでしょうか?

よく分からない人が来て採血しますよー、なんて言われたら怖いですよね。

痛かったら嫌ですし、回数も多いと嫌な人もいるのではないでしょうか?

また、一体どれくらいの血を採られるのかも気になりますよね。
そもそも血を抜かれるのが好きではない人もいますしね。

今回は治験での採血の実態について解説します。

採血は看護師または臨床検査技師がする



治験の採血は、その医療機関で働いている、看護師または臨床検査技師の資格を持っている人がします。

資格を持った人、と記載したのは、院内の治験コーディネーターさんがする場合もあるからです。

部門が違って肩書きが違っても、採血をするのは看護師・臨床検査技師であることに変わりはありません。

ちなみに、外部(会社)から派遣されてきたコーディネーターさんは、医療行為は禁止されていますので、資格を持っていても採血をすることはありません。

採血が痛いかどうかは看護師・臨床検査技師の腕次第

今しがた述べたところですが、採血をするのは看護師または臨床検査技師です。

健康診断の採血でも、人によって痛かったり痛くなかったりしますよね。

採血は人によって上手い下手がありますので、採血が痛いかどうかはその時の看護師または臨床検査技師の腕次第です。

治験だから痛い、ということはありません。

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採血量は検査の種類が多いと増える



治験では安全性確認のため、健康診断よりも検査項目が多くなります。

例えば、生化学検査と血液学的検査があるとします。
この2つは検査方法が別ですから、検査用のスピッツが別になり、2つの検査用に血液が必要です。

つまり、検査の種類が多いと、スピッツが増えて採血量が多くなります

例として、今私が担当している通院治験では、多いときは1日1回40数mlですが、少ないときは1日1回10数mlです。

採血量が少なかったり多かったりするのは、検査項目が来院時期によって異なるためです。

治験では、どのタイミングでどの検査をするかというスケジュールが決まっていますからね。

また、来院回数が15回程度に対して、採血量が多い時と少ない時の割合としては半々くらいです。

健康診断がスピッツ3本で大さじ1杯程度(10-15ml)だそうですので、少ない時は健康診断程度ですが、多い時は健康診断の2~3倍です。

このように、採血量は検査のスケジュールによって異なりますが、健康診断より多くなる時もあります

もちろん、1回の採血量が少なくても、採血回数が多いとその分、採血量も増えますので、健康人対象の治験に参加する場合は注意が必要です。

採血回数は治験の種類と採血スケジュールによって異なる

ここは説明が必要な部分ですので、少し長くなりますが、分かりやすいように例を挙げて解説します。

健康人対象の治験
健康人対象の治験では、ヒトにおける薬物動態を確認しますので、開発薬の特性を明らかにするため、多くのデータポイントが必要です。

そのため、必要なデータポイントの数に応じて採血回数も決まります

それは開発薬の特性、つまり、服薬後に体中を巡って体から出て行く速度によって異なる、ということです。

どういうことか、有名な鎮痛剤であるロキソニンと、関節リウマチの治療薬で生物学的製剤であるエンブレルを例に挙げます。

まずはロキソニンから見ていきましょう。

<ロキソニン60mg錠>
添付文書、「【薬物動態】1.吸収・代謝」のところに下図のグラフがあり、時系列に沿って、8つのデータポイントがあることが分かります。



これは、ロキソニンの血中濃度を調べるため、健康人対象の治験で6時間で8回採血したということを示しています。

次にエンブレルについて見てみましょう。

<エンブレル皮下注25㎎>
同じように、添付文書、「【薬物動態】1.血中濃度」のところにあるグラフ(□)に注目してください。



ロキソニンと比べて血中濃度が低くなるまでの時間が非常に長いことが分かります。500時間って3週間くらいですからね。

最初の方は読み取りにくいですが、トータルで14点のデータがあることが分かります。

これは、エンブレルの血中濃度を調べるため、500時間で14回採血したということを示しています。

ロキソニンと比べるとこちらの方が1日の採血回数は少ないのが分かりますよね。

このように、採血回数や間隔は開発薬の薬物動態によって異なります

では、次に患者さん対象の治験について解説します。

患者さん対象の治験
採血量のところでも述べましたが、治験ではどのタイミングでどんな検査をするかといった検査スケジュールが決まっています。

例えば、通院の治験で、採血が来院の最後でかつ当日の治験薬を服用する前、などと指定されており、加えて、この検査は治験薬服薬後の●時間以内にすること、と条件がある場合もあります。
その場合は複数回の採血が必要になります。

このように採血を複数回に分けざるを得ない限りは、1回の採血で済みます

まとめ

この記事でお伝えしたポイントをまとめると以下のようになります。

・採血をするのは肩書に関わらず看護師または臨床検査技師
・採血が痛いか否かは採血する人の腕次第
・採血量は検査の種類が多いほど多くなる
・健康な人対象治験では採血回数は開発薬の薬物動態に左右される
・患者さん対象治験では採血回数は通常1日につき1回

「治験の採血」というだけで特別なもののように感じますが、実態は健康診断の採血とほぼ同じです。

治験によって採血回数に差があるだけですので、そんなに恐れなくてもいいと思いますよ。


それでは、次の記事でお会いしましょう。

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