健康な人対象の治験で薬害や死亡事故ってあるの?
こんにちは。もにたーです。
治験には参加したいものの、危険かどうか気になる人、たくさんいるんじゃないでしょうか。
特に死亡例や重篤な薬害は気になりますよね。
そんな人に質問です。
治験の危険性はどの程度だと思いますか?
正直、想像もつかないですよね。
健康人対象の治験は安全と考えられる量から投与しますので、重篤な副作用で死に至ることは稀です。
ハーバード大学の教授で米国食品医薬品局(FDA)に所属するダニエル教授も、同じようなことをおっしゃっています。
が、決してゼロではありません。
実際に副作用が原因とされる死亡例や重篤な薬害が報告されています。
今後あなたが参加する治験は大丈夫かもしれませんが、過去にどんなことが起こったのかを知っておくことは、損ではありません。
今回は健康人対象の治験で報告された薬害・死亡例についてご紹介します。
日本の報告事例は見当たらなかったので、海外での事例で。
※令和元年、日本で健康な人を対象とした治験の死亡事例が報告されました。
詳細はこちらからご覧ください。
“https://chiken-note.com/part-time-job-volunteer/%e6%b2%bb%e9%a8%93%e3%81%a7%e6%ad%bb%e3%81%ac%e3%81%93%e3%81%a8%e3%82%82%e3%81%82%e3%82%8b%ef%bc%81%ef%bc%9f%e6%b2%bb%e9%a8%93/”
被験者(参加者)全員が呼吸困難・多臓器不全[英国]
事件は2006年、英国で行われたTGN1412(CD28スーパーアゴニスト・ヒト化モノクローナル抗体)という薬候補の物質(被験薬)の治験で起こりました。
この治験は初めてヒトに投与する試験(第I相)で、被験薬の投与を受けた健康な人6名全員が、呼吸困難・多臓器不全などの全身症状でICUに搬送されたのです。
動物試験では副作用は見られなかったにも関わらず、ヒトで100%、重篤な副作用が発生したため、注目された事例です。
ちなみに、6名のうち、5名は無事に退院しましたが、1名は重症でした。
この治験が入院で行われていたからこそ、5名は一命を取り留めたというところでしょうか。
これが通院の治験で、処置が遅れていたら死に至っていたのではないかと思うと恐怖しかありませんよね。
では、次の事例です。
被験薬投与後に1名脳死、5名が入院[仏国]
こちらの事例は、かの有名な科学誌であるNatureでも取り上げられています。
事件は2016年、フランスで行われたBIA 10-2474というFAAH阻害剤の治験で起こりました。
ほんの数年前のことで、こちらも健康な人を対象とした事件です。
被験薬は、神経変性疾患に関連する気分・不安・運動障害を助けることを目的としたものでした。
この治験では、128名が被験者として参加し、90名が実薬、残りの人がプラセボを投与しました。
そして、実薬を投与した90名のうち、6名が入院し、そのうち1名が脳死に至りました。
被害者は全員男性で、28〜49歳。
被害者のうち3人が脳損傷を負った可能性があるとの報告もありました。
健康な人生から一転、脳死。
脳死って…自分がその立場だったらと思うと怖いですよね。ご家族も悲しみますし。
やっぱりヒトと動物は違いますから。
このようなことが起きてしまうこともあるということです。
まとめ
健康な人で治験に参加する人は、ほぼ全員がお金に困っている人です。
しかし、お金欲しさに参加して死んでしまったり、障害を持ってしまうと、元も子もありません。
確かに健康人対象の治験における重篤な副作用による死亡は稀ですが、その稀なケースにあなたが含まれてしまう可能性もあります。
死に繋がる重篤な副作用の発現率はゼロではない。
それを知った上で治験に参加してもらえればと思います。
それでは、次の記事でお会いしましょう。